| ■店を開けてもお客さんが来ない 私は崇仁地区に住む林と申します。50年以上も前から飲食店をやっています。現在、うちのお客さんの殆どが崇仁地区の方々です。前は地区外の方が半分以上来ておられましたけど、線引きされてからは、地区内の若い人たちも去っていってしまって、お年よりばかりになってしまいました。 この線引きというものですが、行政の方が一方的にやられたことで、なんや分からんうちに人がいなくなってしまって。夜の7時、8時頃になれば崇仁地区の須原通の七条からJRのへんまで、ほとんど人が通らんということがあるんですよ。店を開けても3時間ぐらいお客さんが来ないというのもざらです。私も辛抱強くやっていますが、もうおそらくもたないと思います。一日も早くこの地区の開発が実現することをお願いします。 ■エレベータのない改良住宅 七条下之町の小笹と申します。私は20年間住んでいたところを市の改良事業に協力し、団地に入れられました。それで今の団地は、エレベータもなく、私らはいつも苦しんでおります。5階まで上がろうとするのは、この年では無理なんです。エレベータをつけて欲しいと頼みましたけどもつけていただけません。 夕方6時になったら商店も閉まり、おまけにスーパーは1軒もありません。だから、人間として一番悲しい思いをしてんのはこの年寄りです。子供や孫たちと一緒に住みたいと思っても部屋は狭くて住めません。私が死んだら子供も孫も入れません。そんな情けない思いをして私たちは毎日暮らしております。 ■銀行融資が受けられなくなった 私は崇仁地区の線引き内で、喫茶店を経営しております山本と申します。私の家の前の高倉通をはさんで西側は線引き外になっておりまして、銀行の融資も受けられ、そして5階建て、7階建てと色々ビルを建てております。そのため、商売も順調にいっております。 しかし私のところの線引き内では銀行融資が受けられないし、新築、増築の許可さえおりません。このような京都市のやり方では、私たちが自活していくことはとても出来ません。日々、死活問題として悩んでおります。 京都市が私たちの知らないうちに、何の説明もなく勝手に線引きし、勝手に土地の値段を決め、一手買収をしていますが、これが本当の地上げではないでしょうか。線引きの5分の1ぐらいの値段で買い取られ、市の改良住宅に住もうと思っても、世間の人がこの団地は同和の団地やないかと言っております。私たちの子供たちや孫たちにこんな辛い思いをさせたくありません。京都市は私たちを苦しめるために線引きしたのでしょうか。 ■全ての人が混住できる街に 私は山科区に住む安原と申します。実は私は数年前に、子供の結婚の差別問題で崇仁地区を出ました。出たというよりも、逃げ出したといったほうが適切かもわかりません。しかし、生まれ育ったところですので、何かにつけて崇仁のことを思い出します。 でも、崇仁地区を出て外から見た場合に、今の現状ではちょっと帰る気になりません。これは地区を出た人の殆どがそうじゃないかと思います。活性化されたきれいな町になりましたら、全ての人たちと混住できて差別のない町になりましたら、これはやはり帰りたいと思います。 ■新聞記者から見ても理不尽 大阪で新聞記者をやっております舘盛と申します。先日、私の知り合いのアメリカ人記者を2人、こらちの崇仁地区の現状を知ってもらうために案内して一緒に取材いたしました。この地区内を一通り視察した後、京都市が誇るいろいろな施設を見学したんですけれど、例えば国際交流会館とか、そういった施設を見たわけです。 このときアメリカ人記者は「京都市は足元の部分を放置しておきながら、体制だけは立派で非常に豪華な施設を作っている。このことを多くの外国人記者が知ったら、これは日本にとって大変恥ずかしいことになる」と感想を語りました。 関西では新空港だとか大規模プロジェクトがありますが、京都のもっとも中心の足元で行われている京都市の行為は理不尽で、世界の人が見たら非難がごうごうと起こることは間違いない事実だと思います。 日本の中ではこれをタブーとして隠そうしているわけですけれど、外にそれを開いて全てを見せていけば、自ずとこの崇仁地区の未来というものは大きく開かれていくんじゃないかと思います。 ■行政に頼らず自分たちの手で 私は崇仁地区に住む小林と申します。私は今団地に住んでいるんですけど、エレベータもなく風呂もなく、もちろんあればそれにこしたことはないんですけど、私たちの望んでいるのは、ただそういうことだけじゃなしに、線引きが引かれる前の、人と人、心と心の触れ合う崇仁地区を返していただきたいのが願いです。 私は、夫と17歳の子供と3人で団地に暮らしておりますが、4畳半が2間で夕食のときしか家族が顔を会わすときがないんです。それもゆっくり話し合う時間がないんです。なぜかと言うと、食事が終わるとすぐにそれを片付け布団を敷く、それが現状なんです。 だからもう、ここでみんなが立ち上がって、いつまでも行政に頼ることではなしに、私たちの崇仁地区をみんなの手で取り戻したいと思っております。どうか皆さん、崇仁地区住民に力を貸して下さい。
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