インディアンの問題も同和の問題も、同じ「人間」の問題です。アメリカインディアンの指導者が、崇仁地区の人々に贈ったメッセージを紹介します。
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一人一人が勇気を持って立ち上がれるように
朝には美しい太陽が昇り、微笑みながら口づける。世界を一つにする子供らの笑い声、それは故郷の大地をつなぐ。海へと流れゆく子供らの笑い声。それは星空の間に刻まれる。 木々の上を漂い、風に運ばれ、ここまで降りた雨に濡れ、日の光を浴びて、私たちに触れ、そしていつまでも残り、私たちの魂の道を走っていく。 祈りの足跡で大地を称えながら、夕べ美しい太陽は沈み、微笑みながら口づけをする。世界を一つにする子供たちの笑い声、それは故郷の大地をつなぐ。海へと流れゆく子供らの笑い声……。 年寄りたちは恐れる。インディアンの言葉がなくなり、インディアンの歌がなくなり、年寄りたちは恐れる。インディアンの祈りがなくなるのではないか、それはこの世の終わりだと恐れる。 インディアンに自ら生まれ、祈りと自然との調和の歌が、人々の暮らしに自然と現れる。もしこれがなくなってしまったら、言葉ではないざわめきと、歌ではなく騒音と、祈りではない恐れだけが残る。 一つの海、一つの陸、一つの民の命はみな同体、一体であることを私たちは知っている。 ![]() 全ての生きているものは、全てのものは同一。空を見上げると、二つの羽を持った鳥が飛び回っている。その鳥と私たち自身は、なんら変わりのない一つの存在であることを感じる。 四方を見渡すと、鹿やその他いろいろな動物がいる。そのもの達の存在は、私たちと何ら変わりない。太陽は私の兄であり、太陽はまた私の姉である。月を見上げると、私たち子供を全て見守っていることを感じる。 この大地は私だ。私も大地も、全て一体となってこの世に存在している。全てのものは聖なる魂に包まれている。この気持ちを感じるとき、差別というものはこの世に存在しなくなる。 バッファローを見つめると、そこに差別など何もないと感じる。南北東西を見つめると、そこには人間の存在意義を感じる。四方八方を眺めると、黒人がいてインディアンがいる。有色人種もいる。いろんな人たちが一体となって存在している。 ここには優越、高い者、低い者、貧しい者、差別される者があってはならない。聖なる魂、偉大なる魂の叫びが、これから人々がどのように生きていくかを語ってくれるのだから。 人は自然と一体になる。なぜなら私たちは今、ここに存在している。世代を越えた人々が、民族を超えた人々との交流によって、私たちがこれから何をなすべきかを感じさせてくれる。 一人一人が勇気を持って立ち上がれるように、私はインディアンの歌を歌おう。差別をなくす為、バッファローのように強い心を持って、私たちは次の世代に明確なメッセージを伝えよう。
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