東京三菱銀行との闘い


上  申  書

(平成9年11月19日)


大蔵委員会の諸先生

 謹啓、諸先生方には日夜国務に御奔走され、まことに御苦労様でございます。  私共は、京都の駅前の同和地区(被差別部落)の住民で組織されている崇仁協議会という立場の者です。私共の会は、部落差別の根源的な撤廃を求めて、同和地区である崇仁地域の改善運動に取り組んでいます。これから、諸先生方に是非とも私共の苦悩を知って頂くと共に、救済の方途を御示し頂きたく、あつかましくも言上させて頂きます。

 事柄は東京三菱銀行にかかわることですが、私共は非力であり、相手方銀行は巨大であるので手も足も出ない状態が続いているのです。最初に私共のことを御理解願うために、崇仁地域と崇仁協議会の概要を申し上げます。

〔崇仁地域とは〕

 崇仁地域は、京都市下京区小稲荷町、下之町、西之町、郷之町、上之町、川端町、東之町、尾形町の8町8万坪で形成されています。京都駅前から加茂川に至る至便な位置ですが、日本三大部落の一つと表現され、劣悪な生活環境の下、住民は言われなき差別と不当な迫害に苦しんで参りました。

 崇仁地域の住民は現在2800人余りと言われていますが、京都市の同和地域線引きのため、地区からの離脱者が相次ぎ、人口の減少傾向がありましたが、最近はまた増勢しつつあります。これは、地域の外へ流出した人口が、他地域での生活の困難と差別により再び戻ってきている現象がある故です。

 40歳以上の住民の80%は文盲といわれています。生活保護世帯の比率も他地区に比べて突出して高いのも特徴です。

 崇仁協議会は、地域の改善運動を目的として組織され、代表者は委員長と称しています。ところが、初代委員長の藤井鉄雄は、覚せい剤取締法違反と詐欺事件で刑事事件の被告人となっており、住民に背を背けた背信行為を繰り返していました。刑事事件になってからも藤井は覚醒剤から足を洗うことがなく、主な住民支援者も離反しました。

 このような状況下で、今般、崇仁協議会は会則に基づき、藤井鉄雄を委員長職より解任、除名し、中口寛継新委員長の下、活動を再開、今後とも地域の改善に取り組む決意です。

〔東京三菱銀行問題とは〕

 東京三菱銀行問題とは、合併前の三菱銀行出町支店に崇仁協議会名義で預金されていた約150億円の預金が不正に流出した件です。

 三菱銀行出町支店に預金されていた崇仁協議会の口座名義と流出金額は下記の通りであり9名義にわたっていますが、すべて組織としての崇仁協議会に帰属するものです。

1.崇仁協議会・藤井鉄雄 金67億円

2.藤井鉄雄 金31億円

3.中川清子 金15億円

4.寺田 明 金15億円

5.中川泰一郎 金30億円

6.藤井徹次 金900万円

7.藤井鉄秀 金900万円

8.西村幸子 金30億円

9.高谷貴美子 金4億2000万円

 これらの預金について、高谷泰三なる人物が三菱銀行出町支店の副支店長木戸均を窓口として、通帳・印鑑を用いずに不正に払戻手続きをし、流出させてしまったというのが事件の内容です。

 高谷泰三は、崇仁協議会の会計係の父親であり、会員でもなく、会を代表する立場にあった訳ではありません。このことは高谷泰三自身が認めていることです。

 三菱銀行(当時)出町支店の木戸均は、通帳・印鑑の替わりにチットブックと称する手控えノート(別添)に、高谷泰三のサインを求め、払戻手続きをさせています(高谷以外の人物のサインで済ませる場合もありました)が、このような行為が銀行実務で許されるはずがありません。

 上記の預金は、京都駅前、四条河原町の開発に崇仁地域の住民が協力し、文字通り血と汗で獲得してきた生命金であり、地域改善のための貴重な軍資金となるはずのものでした。

 三菱銀行は高谷泰三に対する払戻しを正当化し、表見代理人(つまりは無権限代理ではあると認めています)であるとしていますが、通帳・印鑑を使用しない払戻しの主張が通るとは思えません。



 地域住民の一部は東京三菱銀行の対応に絶望し、やり場の無い怒りに身の震える思いで毎日を過ごしています。

 同和地区であり、被差別部落であるので、東京三菱銀行は硬直した態度をとり続けているのではないかと疑っています。三菱グループの総会屋事件でも判明したように、有力な立場の者に対しては法を曲げても裏取引をし、他方部落大衆には門前払いをするのが東京三菱銀行の現在の姿勢です。

 このままでは絶望の余り抗議死の行為に出る住民さえ出現しかねません。現に、そうした発言は何人かの住民が言い続けています。いわれなき差別を受け続け、生活苦のなかで人生に絶望している人は相当な数に達しているのです。

 先生方におきましては、崇仁地域住民の苦悩を是非とも御理解頂き、国会の場で事案の真相を究明頂ければ幸いです。何卒伏してお願い申し上げます。 崇仁協議会 委員長 中口寛継