東京三菱銀行との闘い


京都に巣くう闇勢力に蝕まれた崇仁協議会


 

事件発覚後に発生した殺人事件から暴力団同士の抗争に発展か
─平成5〜7年の地元新聞などから抜粋─


 東京三菱銀行事件が発覚して以後、相次ぐ暴力事件に巻き込まれ、地域住民は崇仁協議会の藤井鉄雄前委員長の体制に大きな疑問を抱くようになる。

 当時、藤井鉄雄は156億円消失事件について、自分も被害者であると主張していたし、当初会員たちはその言葉を信じていた。しかし、崇仁協議会を巻き込んでの暴力団抗争は、崇仁協議会だけでなく地域住民の無償の奉仕活動さえも地に貶めてしまう結果を招いてしまった。

 以下に紹介する事件報道からは、古都のイメージどころか日本でもまれな暴力都市という京都の裏の姿が浮かび上がってくる。ここには地域の特殊性があり、強大な闇勢力が表の勢力と結びつき、様々な利権を掌中に納めようと画策する姿も見えてくる。

 崇仁協議会が京都市など行政の施策にノーを言い、住民の手による地域再生を目指したのも、もとはといえば、この、京都の特殊性による点が大きい。

 ともかく、崇仁協議会では暴力と隔絶した組織をと、住民たちの手で会の自主再建が進められていった。藤井前委員長を解任、除名した後、地域の貧困者や高齢者たちの世話をするなど、かねてから人望の高かった暴力拒絶派の中口寛継を新委員長に迎え、崇仁協議会としての新体制がスタートした。余談だが、中口委員長の誕生には「崇仁の町づくりを進める会」(現会長は山本春江さん=うどんや春ちゃん)など、女性の力に負うところが大きかった。

 現在の崇仁協議会は、暴力組織や同和団体などからの勧誘や巧言を一切拒絶し現在に至っている。特に、他団体との大きな違いが現役員の女性割合が高いことであり、しかも、活動自体でも女性パワーが炸裂している。平等思想に敏感な崇仁協議会では、同和差別、国籍差別、そして男女共同参画型の組織づくりを進めている。

 かつての藤井委員長時代には東京三菱銀行の巨額流出事件を契機として暴力事件が続出、これが協議会のイメージを失墜させたのは事実だが、現在では女性たちを中心に地域住民の支援活動に取り組んでいる。ともあれ、以下に平成5年から7年にかけての新聞資料を抜粋紹介する。

■ 路上で団体役員射殺される

(4月)15日白昼、京都市山科区のレストラン前路上で、男性が2人組に短銃を乱射されて殺害された。京都府警暴対2課と山科署は暴力団が関係する殺人事件の疑いが強いとして特捜班を設置、捜査を始めた。短銃乱射時、付近は昼食帰りの通行人も多かった。京都市内では今月に入り3件の発砲事件が発生しており、府警は抗争への拡大を懸念している。

 同日午後零時45分頃、起用と山科区大宅田町の外環状線歩道上で、山科区西野大鳥井町、崇仁協議会役員・潮見旭さん(41)がタクシーに乗ろうとしたところ、近づいてきた2人組の男に短銃を乱射された。潮見さんは腹などに5発の銃弾を受け、即死。タクシーの後ろ部分に10発近い流れ弾が当たったが、運転手や通行人に怪我はなかった。2人組は車で南へ逃走した。府警は殺人事件として2人組の行方を追っている。

 調べによると潮見さんは午前11時15分頃、現場近くの焼肉店に1人で訪れ、後から知人3人と一緒に食事した。1人で店を出て、店前の外環状線でタクシーを止め、取り込もうとしたところ突然、2人組の男が走って近づいて立て続けに短銃15発を撃ったという。(中略)

 潮見さんが所属する崇仁協議会は、同協議会は京都駅前一帯の開発と環境改善を目的とする住民団体。 崇仁協議会では「ターゲットにされている。住民のための活動のなかで、目の仇にされることはあるが、一切、暴力団の力を借りたりしない」と話している。

■ 共犯の容疑者逮捕〜崇仁役員射殺事件〜

 京都市山梨区の路上で15日白昼、崇仁協議会役員潮見旭さん(41)が2人組の男に短銃で乱射され殺害された事件で、京都府警特捜班は17日夜、殺人の疑いで指定暴力団会津小鉄傘下中川組組員・近藤勝司容疑者(24)を逮捕した。(中略)

 近藤容疑者は事件直後に逃走した外車に乗っているのを目撃されており、府警は見張り役か実行犯かの特定を急いでいる。調べに、近藤容疑者は外車に乗車していたことは認めているが、容疑は否認している、という。

■ 崇仁協の委員長逮捕〜覚せい剤所持容疑で〜

 京都府警保安課と中立署は16日、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで、崇仁協議会委員長の藤井鉄雄容疑者(44)を逮捕した。府警は15日夜、藤井容疑者の覚せい剤乱用容疑で中京区岩上通仏光寺上ルの崇仁協議会事務所を捜索した。この際、捜索に立ち会った藤井容疑者の体内から覚せい剤成分が検出されたとして、16日子全に緊急逮捕した。(中略)

 藤井容疑者がリーダーを務める崇仁協議会役員の潮見さん(41)のが、15日白昼に山科区の路上で暴力団組員とみられる2人組に短銃を乱射されて死亡した。府警は捜索に先立って、藤井容疑者から協議会と暴力団組織の最近のトラブルについて事情を聞いたという。

■会津小鉄の21ケ所捜索〜山科の短銃殺人〜

 京都市山科区の路上で15日白昼、崇仁協議会役員の潮見旭さんが、暴力団員とみられる2人組に短銃を乱射されて殺害された事件で、京都府警特捜班は16日午後、殺人容疑で京都市内の指定暴力団会津小鉄の本部や傘下の事務所など、21ヶ所を一斉に捜索した。

 下京区の会津小鉄本部ビルの捜査は、午後2時半に始まった。機動隊員がビル週辺を警戒する中、捜査員約30人が建物内に入り、30分間捜索を行った。

■ 出頭の組員逮捕〜崇仁協役員射殺〜

 崇仁協議会が京都市山科区の路上で短銃を乱射されて死亡した事件で、京都府警特捜班は18日、新たに殺人の疑いで指定暴力団会津小鉄系中野会組員の茂原哲二容疑者(41)を逮捕した。同事件の逮捕者は2名となった。(中略)茂原容疑者は「現場近くにはいたが、殺害事件には関与していない」と話している、という。

■ 大麻所持の疑いで殺人容疑の組員逮捕〜処分保留で釈放後〜

 京都市山科区の路上で先月15日、崇仁協議会役員の潮見旭さんが短銃を乱射され殺害された事件で、京都府警特捜班は(5月)10日、殺人容疑で逮捕した指定暴力団会津小鉄系中野会幹部茂原哲二容疑者を大麻取締法違反の疑いで再逮捕した。(中略)

 茂原容疑者は一貫して容疑を否認、10日に京都地検が処分保留とし釈放されたが、直後に府警が再逮捕した。茂原容疑者は大麻所持も否認している、という。潮見さん殺害容疑では、茂原容疑者のほか、別の組員(24)も逮捕されたが9日に処分保留で釈放された。2人の処分保留について京都地検は「これまでの捜査では、起訴するのに証拠が十分でなく継続捜査する」としている。

■ 京でまた発砲〜玄関扉に7発〜

(6月)16日午前1時45分ごろ、京都市左京区上高野東田町の住民から「近くで銃声のような音がした」と下鴨署に通報があった。同署員が現場に駆けつけたところ、自営業高谷泰三さん(55)方玄関のアルミ製ドアに7個の銃弾の跡が見つかった。

 京慈では14日深夜から15日にかけて、暴力団組事務所や建設会社事務所などへ13件の発砲事件が起きており、今回の事件で計14件となった。京都府警の「連続発砲事件対策本部」(下鴨署)は、一連の事件と関連があるのかどうか調べている。

■ ガソリンまき放火?〜左京・門扉など焼く〜

(6月)25日午後10時20分頃、京都市左京区北白川別当院、団体役員藤井鉄雄さん(46)方の門扉が燃えているのを、室内にいた知人(32)が発見。藤井さんとともにホースの水で消し止めたが、木製の門扉や敷地内の乗用車のタイヤの一部を焦がした。下鴨署の調べでは、現場にガソリンようの液体がまかれ跡があり、放火事件として捜査している。

■ 民家で発砲1人怪我〜3人の男が逃走〜

(7月)27日午後4時半頃、京都市左京区北白川別当町、団体役員藤井鉄雄さん(46)方に、3人の男が侵入し、一階廊下にいた下京区下之町、北村耕之助さん(58)に向けて短銃を発射、逃走した。北村さんは右足に弾丸1発を受け重傷。京都府警暴対2課と下鴨署は傷害、銃刀法違反事件として捜査している。

 府警の調べでは、当時、藤井さん方には藤井さんと妻、北村さんら計11人がいた。ガラスの割れる音を聞いた藤井さんの妻が一階南側の応接室を見ると、窓ガラスが割れており、3人の男が立っていた。妻の驚きの声で北村さんが廊下に出たところ、男の1人が回転式短銃を数発発射。3人は玄関から外へ出たという。(中略)藤井さん方では先月25日夜、門扉付近にガソリンがまかれて放火される事件があった。

■ 男性など撃たれ死亡〜単車2人組、至近距離から〜

(8月)2日午前10時40分頃、京都市左京区川端通春日北交差点で、2人乗りオートバイの男が信号待ちで停止中の乗用車の運転席の男性に向けて短銃数発を発射した。男性は首と腹に2発の弾丸を受け、病院に運ばれたが、間もなく死亡した。オートバイは約1時間半後、現場から1.5キロ東南の同区岡崎で見つかった。京都府警は同日、殺人事件として下鴨署に捜査本部を設置した。

 府警によると、男性は1人で乗用車を運転中で、免許証などから伏見区新町12丁目、井尻修平さん(59)と分かった。調べでは、オートバイは乗用車に覆い被さるように前に停止。後部座席から路上に降りた男が、乗用車運転席側のサイドガラスの至近距離から発砲したという。オートバイは250ccで白色シャツと黄色っぽいシャツの2人の男が乗っていたという。

 府警は薬莢が付近に無いことから短銃は回転式と見ている。現場は、京都大学付属病院の西側で、車の通行量が多い。今年に入ってからの府内の発砲事件は22件目。昨年1年間(9件)より大幅に増えている。

■ 左京の路上射殺事件〜遺留単車など発見〜

 京都市左京区の路上で2日、乗用車の伏見区新町12丁目、建設会社社長井尻修平さんが、2人乗りのオートバイの男に短銃で殺害された事件で、京都府捜査本部はその後の調べで、井尻さんが首や腹部に計4発の弾丸を受けていたことや、放置されたオートバイにヘルメットが遺留されていることを突き止めた。府警は指紋や毛髪を採取、不審者の根区劇の聞き込み捜査に全力を上げている。

 捜査本部によると、オートバイは「なにわ」ナンバー。同区岡崎法勝町の住宅地の中のアパートの前に、一般の自転車と並べて人目につきにくいよう放置されていた。府警などの調べでは、7月27日、団体役員方(46)に3人組の男が侵入して短銃を数発発射、男性が足に負傷する事件があった。井尻さんは当時、役員方に居合わせていたという。

 また、その事件で逃走に使われた乗用車は、現場から1.5キロの路上で発見されており、府警は事件直後に車輌を遺棄する方法などが類似していることから関連を調べている。

■ 単車の2人組、車で発砲〜近くで地蔵盆、子供らヒヤリ〜

(8月)19日頃午前9時ごろ、京都市下京区八条通須原交差点で、オートバイに乗った2人組がライトバンに向けて短銃数発を発射して逃げた、との110番通報があった。九条署員らが駆けつけると、路上に弾丸3発が落ちており、ライトバンも走り去っていた。京都府警は同署に特別捜査班を設置、午後零時半、現場から南へ約1キロの南区東九条松ノ木町の路上で車体に弾痕のあるライトバンを見つけた。

 府警の調べでは、八条通りを東行中の白色ライトバンが同交差点で左折のため一時停止しようとした際、後ろから来た2人乗りの黒色オートバイが追い越し、後部座席の男が短銃を撃った。オートバイは須原通りを北へ逃げ、ライトバンもいったん北へ向かったが、Uターンし須原通りを南へ走ったという。

 オートバイの男は2人とも黒色フルフェイスのヘルメットをかぶっており、後部座席の男は黒色の長袖上着姿だった。ライトバンの運転席と助手席には30〜40歳ぐらいの男性2人が乗っていたという。現場はJR京都駅前の東約600メートルの住宅地。事件発生当時、約10メートル東では住民らが地蔵盆の準備をしており、子供も2〜3人遊んでいたが、怪我はなかった。(中略)

 京都府内では今月2日白昼、左京区の路上でオートバイの2人組の男が信号待ちの乗用車に発砲、運転席の建設会社社長が死亡する殺人事件が起きている。府警はオートバイを使う手口が似ていることから関連を調べている。

■ 京の会社社長射殺事件〜山口組系2組員逮捕、民家内発砲でも1人逮捕〜

 京都市左京区の路上で、オートバイに乗った2人組に乗用車の会社社長が射殺された事件で、京都府警連続発砲対策本部は(10月)1日、殺人と銃刀法違反の疑いで大阪市西成区萩の茶屋、指定暴力団山口組系弘田組員・坂東清行容疑者(38)と住所不定、山口組系山重組員・桂正起容疑者を逮捕した。

 また、別の左京区内の発砲事件で、殺人未遂などの疑いで大阪市西成区岸野里町、不動産手伝い・広田俊明容疑者(36)を逮捕した。調べに対し、坂東容疑者は容疑を認め、桂容疑者は「弁護士と相談してから話す」と供述しているという。(中略)

 また広田容疑者は、桂容疑者と、殺人未遂などの疑いで送検された黒田真澄容疑者(31)の3人で、7月27日午後4時20分頃、左京区北白川別当町、団体役員藤井鉄雄さん(46)方に押し入り、一階にいた下京区下之町、団体役員北村耕之助さん(58)に短銃を発射、足に一週間の怪我をさせた疑い。府警の調べでは、広田容疑者は以前、山口組系組員だったという。

 府警によると、逮捕した3人は1日正午過ぎに下鴨署にそろって出頭した。桂容疑者は、北村さんへの発砲事件で指名手配されていたが、出頭後の坂東容疑者の供述から井尻さん殺害に関与したとして殺人容疑で逮捕した。

 対策本部は、殺害された井尻さんは、北村さんが発砲されたとき、藤井さん方に居合わせたことから、二つの事件は関連があると見て捜査。事件の背景には、藤井さんが役員をする京都市内の地域改善団体の運営資金を巡るトラブルに、山口組系暴力団が介入したのではないかとみて調べている。