東京三菱銀行との闘い


国会タイムス報道から

国会タイムス報道から見る事件の概略

 東京・丸の内のオフィス街の一角にある「東京三菱銀行」本店前で、崇仁地区住民による抗議行動が行われるようになって4年を迎えた。崇仁協議会の主張する156億円とは、地域解放資金として会が東京三菱銀行出町支店にプールしていたものだ。ところが、これだけの大金が、預金通帳も印鑑もないまま「チットブック」という手書きの手控え帳だけで引き出されていたことが判明した。東京三菱銀行はこれを「正規の取引」と主張し、崇仁協議会との交渉テーブルに座ることを拒否している。

 ここでは、事件の概略を理解していただくために「国会タイムズ社」が取り上げた記事を以下に紹介する。


★国会タイムズ 平成10年2月5・15日合併号

東京三菱銀行で発覚した不可解な出来事

巨額横領事件に発展か?

忽然と消えた150億円の謎

預金者の知らぬ間に口座から引き出されていた!

銀行のズサンさにショック─崇仁協議会─

■ 銀行側では「守秘義務で答えられない」と…

 東京三菱銀行へ預金した150億円もの大金が消えた──。ちょっと信じがたい話だが、事実は小説より奇なり。平成2年4月から同3年5月頃にかけて、当時の東京三菱銀行出町支店(京都市上京区)に開設されていた普通預金や定期預金など、1団体と8人名義の16口座から約150億円が引き出されていた。

 これは当時、副支店長だった木戸均氏(退職)がチットブックに基づいて出金手続きを行っており、印鑑、通帳を使わないで多額の払い戻しがされるという異常な行為。利不正に引き出された現金は地元住民らの「地域再生資金」で、銀行側の適切な対応が待たれる。

「預金が不正に引き出されていた」として、京都市下京区の崇仁協議会では、中口寛継委員長ら関係者が1月22日、真相解明を求めて東京丸の内の東京三菱銀行本店を訪ねた。

 ところが、東京三菱銀行では多数のガードマンを配置し、中口委員長らの銀行内への立ち入りを阻止した。このため、銀行前は騒然となり、通行人は何事が起きたのかと、モノモノしい警備ぶりに唖然としていた。

 中口委員長ら関係者の話によると──、

「合併前の三菱銀行出町支店に、崇仁協議会名義と会員名義で預金していた約150億円のカネが蒸発しちっゃたんですよ。こんな馬鹿げた話がありますか。当時の木戸副支店長を窓口にして、通帳や印鑑を用いず不正に払い戻し手続きをしていた。通帳、印鑑の代わりにチットブックと称する手控えノートにサインを求めただけで払い戻していたんです。子供銀行じゃあるまいし、大手都市銀行の実務でこのような行為が許されるはがありません」──という。さっそく、中口委員長の話を東京三菱銀行にぶつけてみた。

■ 地元民と一致団結! 再開発と街を明るく

「機械の自動支払機は別として、銀行業務で通帳も印鑑も使わないで多額の払い戻しをすることは絶対にありません」(同行本店業務部) また、同行出町支店では「当時の副支店長は退職していますし、守秘義務で崇仁協議会さんの問題に関してはお答えできません」という。

 150億円が行方不明になっているというのに、銀行側では守秘義務をタテに木戸副支店長の退職理由さえも拒否。問題の真相について明らかにしようとはしない。どうしてなのだろうか。全国紙の社会部記者は次のように語っている。

「崇仁協議会といえば同和団体ですから、誰も触れたくないんじゃないか。逃げていたのは解決にはならないけど、同和団体イコール怖い団体というイメージがあるからね。同和対策に力を入れている企業も増えている」

 しかし、今回の東京三菱銀行の場合は、預金者である当事者の求めに応じて事実を明らかにする義務がある。社会部記者が言うように、都市銀行をはじめ大手の各企業は「同和対策室」を設置して対応しているが、崇仁協議会を知るジャーナリストの1人は──、

「崇仁は、藤井徹雄さんという凄みのある人が初代委員長だったが、現委員長の中口さんは対照的で、地域改善運動を地道に続けているインテリ派。しかも地元民約2000人が『崇仁の地域、町づくりを進める会(山本春江会長)』と協力して、再開発と、街を明るくする運動を展開している。同和について認識を改める必要がある」と話している。

★国会タイムズ 平成10年3月5日発行

消えた150億円の預金東京三菱銀行を刑事・民事告訴へ─崇仁協議会─

巨額横領事件が発覚!

出町支店(京都市)副支店長の退職理由に疑惑と事件性深まる

 消えた150億円の謎──、預金者である崇仁協議会(中口寛継委員長)が、近く東京三菱銀行を相手取り、刑事・民事の両訴訟を起こすことになった。いよいよ巨額の横領事件へと発展してきたが、当時の三菱銀行出町支店・木戸副支店長が退職するなど、銀行サイドのズサンな業務が事件の導火線となっていることが判明している。

 本紙前号の「東京三菱銀行の不可解な出来事」が掲載された紙面の発行直後、崇仁協議会の事務局がある京都市内の事務所に、暴力団風の男3人が乱入、110番通報する事態が発生した。

 また、3月3日午後には、東京三菱銀行本店前で、訪れた崇仁協議会のメンバーに対し、ガードマンが大挙出現、銀行敷地内への立ち入りを拒否した。その間、あらかじめ準備されたのか右翼の街宣車が協議回メンバーの前に横付けされ、ボリュームいっぱいの音で音楽を流すやなどの妨害に出た。東京三菱銀行側が右翼に依頼して妨害行為に出たのであれば事態は深刻である。

 東京三菱サイドの立場で、暴力団右翼関係者がイヤガラセ行動に出てきたことは、明らかに銀行との『黒い関係』を証明したようなもの。この点について同行広報部は「当行とは(暴力団、右翼筋とは)いっさい関係がありません」と否定している。 しかし、崇仁協議会の幹部の一人は「街宣車の人間と銀行職員が目と目で合図をしていた」と証言している。また、今月4月には協議会メンバーの女性がガードマンに足蹴りにされ負傷し、現在も通院中というのだ。

 預金者の問い合わせに、暴力や妨害行為に出るとはどういうことなのか。いずれにしても崇仁協議会では東京三菱銀行を相手取り、刑事・民事の訴訟を準備中で、事態は急展開しそうである。

 中口委員長以下メンバー11人は、このほど全国銀行協会を訪れ、山田芳之参事役と小松博親参与と面会し、東京三菱銀行側のズサンな顧客管理の是正を求めると同時に、同和対策についても差別行為が明らかであり改善と善処を要望する嘆願書を手渡した。

 こうした中口委員長らメンバーの要望事項について、山田参事役は「東京三菱銀行の個々の問題であって、協会としてはどうこう言う事はできない」としながらも、中口委員長が読み上げる要望事項にひとつずつ頷き、最後に中口委員長から要望書を受け取った。

 一方、今回の150億円蒸発問題に関して、大蔵省銀行局銀行課でも重大関心を示すなど、崇仁協議会の訴訟によって警察当局の動きも急ピッチに進みそうである。

 事件のカギを握ると思われている出町支店(崇仁協議会の取引口座がある東京三菱銀行)の当時の副支店長・木戸均氏がすでに同行を退職しており、その退職理由について出町支店では「依頼退職ですので退職後の行動については分かりません。崇仁さんの取引に関しては守秘義務でお答えできません」という。

 また、同行本店では「国会タイムズさんが報道しているような印鑑も通帳も使わないで多額の払い戻しをすることなど絶対にありません」(業務企画部)と話しているが、しかし、銀行関係者や弁護士によると「バブルの全盛期には特殊な顧客のみにチットブックと称する便宜が図られていた」という証言もある。

★国会タイムズ 平成10年9月25日・10月5日合併号

崇仁協議会 ハンガーストライキで徹底抗戦

東京三菱本店前で怒りの座り込み!

金返せコール高らかに

「決死の覚悟」すでに70日間も

 本紙で報じた東京三菱銀行による156億円消失事件は、その後新たな進展が見られないまま今日に至っている。これに業を煮やした崇仁協議会(中口寛継委員長)側は、消えた156億円の真相解明を追及すべく、7月15日から東京三菱銀行本店(千代田区丸の内)前でハンガーストライキを決行中だ。今も東京三菱銀行本店前にはモノモノしいガードマンが数人、警備にあたっているが、両者による睨み合いは一時警察官が出動するまでの大騒ぎとなった。このまま沈静化を目論む東京三菱に、崇仁協議会側は新たな「挑戦状」を叩きつけた格好だ。

 本紙では過去2回にわたってこの問題を報じてきたが、当時東京三菱銀行側は本紙の取材に対して「守秘義務なので答えられない」「担当の弁護士に任せているのでコメントできない」と、事の真相さえも明らかにしようとはしなかった。

 それからというもの預金者である崇仁協議会は再三にわたって東京三菱銀行本店前で抗議行動を繰り返してきたが、入り口付近で立ちはだかるモノモノしいガードマンらとしばしばもみあいになり、しまいには警察官が出動する騒ぎにまでなっていた。

 それでも真摯ある対応をしない東京三菱に対して、崇仁協議会は新たな「挑戦状」を叩きつけた。なんと7月15日から東京三菱本店前で座り込みの「ハンガーストライキ」を決行中だ。

「死を賭して東京三菱銀行の責任を追及する」「156億円消費事故責任追及」と掲げた横断幕の前で、もう70日以上も休むことなく座り込みを続けているという。同協議会の関係者によると──、

「すでにハンガーストライキを決行してから2ヶ月経ちましたが、東京三菱側からはいまだに何の話もありません。今年に入って東京三菱本店前で数え切れないほど抗議活動を繰り返し行ってきたので、丸の内界隈では有名になりつつあります。通行人からも『頑張って』と言われるほどです。長期戦になりそうな気配なので、決死の覚悟で戦い抜くつもりです。目の前にそびえるビル(本店)を見上げると、だんだん怒りがこみ上げて来るんですよ」

 バブル崩壊後、不良債権や公定歩合の度重なる引き下げ、企業への貸し渋りなど金融機関への信用不安が叫ばれるなかで、銀行にとって一番大切なことは「信頼回復」である。国民の信頼を得るためには、情報開示が不可欠だ。情報が明らかにされないまま、うやむやにされてしまう金融機関の「悪しき体質」は今すぐ改めるべきだろう。

 預金者である崇仁協議会が預けた156億円についても、どのようにしてそのお金が引き出されたのかを東京三菱銀行側は預金者である崇仁協議会に対して開示する義務がある。このまま放っておけば、預金者保護はおろか預金者をだます「詐欺集団」と思われても仕方ないだろう。

 銀行による悪質な手口に詳しいジャーナリストによると──、

「預金者の知らぬ間に口座から多額のお金が引き出されていたというケースはよくある話ですよ。預金者のまったく知らない人物がその口座から勝手にお金を引き出していたり、銀行印として届けていない印鑑で、まったくの別人が不正にお金を引き出していたり、金融機関のズサンな業務がまかり通っている。これらの手口は『内部犯行説』が多い」という。

★国会タイムズ 平成11年12月25日号

東京三菱の代理人M弁護士の報酬は年間数千万円?

崇仁×東京三菱、警察までも「早く解決してくれ!」

 本紙が再三にわたって報じている崇仁協議会が東京三菱銀行(岸暁頭取)へ預けた156億円消失事件は、その後代理人の弁護士らにより解決へ向けて前進するかに見えたが、崇仁側の再三の「話し合いの場を…」との要請に対して、未だに東京三菱側はたったの一度も話し合いに応じていないと言う。早期解決へ向けて2年。事態は前進するどころか、ただいたずらにズルズルと歳月だけが経過し、解決への糸口さえも掴めない。これには、のっぴきならない隠された「ある事情」が存在していると言う。

◆双方の話し合いはほとんどなくズルズルと月日だけが経過

 崇仁協議会が代理人の弁護士を立てて東京三菱銀行との「話し合いの場を…」と要請し続けて約2年が経過した。だが、東京三菱側は崇仁協議会が預けていた156億円が消失してしまった件に関し「代理人に任せてあるので、何も言えない」と話し合いを拒絶してきたという。その代理人とは、暴力事件の専門で名高い「M弁護士」である。

 東京三菱の代理人であるこのM弁護士もかなりのクセ者。「156億円消失事件」の早期解決はおろか、話し合いのテーブルにさえ着いたことがないという摩訶不思議な弁護士である。なぜ、話し合いもせず、ただズルズルと月日だけが経過してしまったのだろうか。

 一説によれば「東京三菱銀行の顧問を務めるM弁護士は、この件だけで年間数千万円の報酬を東京三菱から貰っているから、おまりのオイシサに早期解決なんか全く考えていないのではないか。この事件が長引けば長引くほど得をするのはM弁護士だけで、当事者である崇仁や東京三菱、警察、付近の住民は何も得することがない」(事情通)と分析する。

 崇仁協議会の度重なる抗議行動に対し、警察や付近の住民までも「早期解決」を願ってやまないと言う。また、東京三菱の役員からも、こうした声が上がっているというのだから、全く驚きである。

自宅前で抗議活動へ

 まさに「沈黙は金」といわんばかりに誠意がないこのM弁護士にシビレを切らした崇仁側は、今年10月、東京蜜日の岸暁頭取へ「M弁護士以外の代理人との間で正式協議を…」との要請書を内容証明つき郵便で発送したが、全く反応が無かったという。従って、崇仁側はやむを得ず岸頭取の自宅前で抗議活動に出たというわけである。

 この件で本紙が東京三菱銀行本店へ取材を申し込んだところ「個別の案件なので一切お答えできません」(本店広報部)。また、M弁護士は本紙の取材に対し「報酬が数千万円なんて考えられないですよ。国が銀行の資産状況をチェックしている訳ですから、そんなムダ金が支払われていたら、銀行も大変なことになります。それに話し合いに応じないというのも、根も葉もないウソです。なんなら崇仁の人をうちの事務所に連れて来て下さいよ」とまで言い切った。果たして真相は……。