東京三菱銀行との闘い

はじめに


 崇仁協議会が東京三菱銀行に対して約156億円の資金を返せと訴え、 街頭活動やハンガーストライキ、株主総会出席など、ありとあらゆる 手段による抗議活動を行ってきたことを知るマスコミは多い。

 しかし、中小はともかく大手マスコミは、この事件を決して報道し ようとはしない。すべからく大手には「同和問題」に絡む報道を避けて 通ろうとする姿勢が見られるようだ。「同和団体」を刺激したくないとの 政治的判断が働いているからとしか思えない。

 このように表面だけのきれい事で済ませる風潮のなかで、差別そのも のが消滅したかのような誤解を社会に与えるなど、同和問題は外から見え にくくなっている。しかもマスコミが同和問題を報道するときは、 その殆どが立件化されたものであり、つまりは、エセ同和団体の幹部 逮捕といった、現実の同和問題とは一線を引いたものとなる。

 東京三菱銀行と崇仁協議会の対立は長い。東京三菱銀行本店でのハンガ ーストライキなどの抗議行動はもはや丸の内名物となり、海外にまで知ら れている。両者の関係がここまでこじれてしまったのは、なぜなのか。 現在、東京三菱銀行は、差別を売り物にする暴力団体にいわれ無き抗議を受けているといったポーズで時間を稼ぎ、相手の息切れと事態の沈静化を狙っているとしか思えない。

その流れのなかで、会の代表を務める中口寛継が昨年逮捕され た。いずれの同和団体にも属さず、独自の活動を続けてきた崇仁協議 会だけに、他団体のなかにはこれを面白おかしくサイトで言いふらす など、人権問題に取り組む組織とは思えないような態度を見せたとこ ろもある。

 東京三菱銀行問題は、20世紀の未解決3大事件のひとつと言われる ほど、複雑怪奇な要素を持っており、これを簡略に語り尽くすなど出 来ない相談だが、なぜ、崇仁地区の住民は崇仁協議会を支持するのか、 逮捕を理由に会の活動から一切手を引いた中口寛継を協議会役員全員が 再度復帰させたのはなぜか、あるいはまた、東京三菱銀行に対する抗 議をあくまでも続けようとするのはなぜか、といったいくつもの疑問 に対する答えをここで提示できるかも知れない。

 そもそもは日本列島バブル化の最中に起こっている。欲に絡んだ殺 傷事件すらも巻き起こした。それゆえ「あれはバブルのツケだ。自業 自得だ」と、自ら踊り狂ったことを忘れて崇仁協議会の活動を非難す る人たちもいる。

 しかし、崇仁地区の住民たちが不動産取引などの事業活動を通して 地域改善を実現しようとしたのは、経済の沈滞化や高齢化など、自分 たちの地域が日々死にゆく現実を目の前にしていたからである。危機 感を抱える住民たちにとって、行政も他団体もあてにならない存在で しかなかった。

「自分たちの地域は自分たちで守る」

 崇仁協議会は、複雑怪奇な事件の様相を一人でも多くの人々に理解していただくため に、資料のすべてをここに公開してゆく。